連絡

LINEで嬉しい連絡があった。「久しぶりどうしてますか」みたいな。

ある施設に厄介になっていた頃にその場所で仲良くなった人で、一緒にお茶を飲みに行って雑談したりする仲だった。音楽の趣味が凄く合ったんです。

あんまりぼやかしても分かり難いかな。もっと具体的に書こう。

当時、自分は鬱病からの回復期で、今までずっとやっていた技術系の仕事も随分前に辞めて長い長い療養から抜け出そうとしている時期でした。社会復帰を模索していた頃です。
就労移行支援事業所という言葉を聞いたことがあるでしょうか。たぶん殆どの方は聞いたことがない言葉でしょう。障害者が就職を目指して活動するのを支援するところです。
自分は精神病を患ってバリバリ働く技術者から精神障害者になり無職となって長い期間の後やっと働かなければという気持ちになって就労支援事業所にお世話になることになりました。
事業所では色んな障害者が就職に向けてトレーニングや働くために生活のリズムを整えることをしています。身体、視聴覚、精神、知的、色んな障害を持つ人がなんとか働こう、仕事を得ようと努力しています。

彼とはそこで会いました。彼も自分も同じ精神障害者で、どちらもパニックという恐ろしい症状がありました。パニックの恐ろしさは健常者にどれだけ説明しても分かってはもらえないです。もう説明することさえ放棄しましたが。でも彼と話をする内に、同じ障害を持つもの同士で共感することができました。分かってくれる人がいるというのは人間にとって大切なことです。

自分たちの持つ精神病の苦悩みたいな話から始まったけれど、彼とは音楽のことでとても話が合ったんです。共に関西のインディー音楽、ライブハウスに蠢くバンドたちが好きで、そんな話で盛り上がりました。彼とカフェで話をしていて、こんなに楽しい時間を過ごしたのはいつ以来だろうと思って家に帰ってきてから泣きそうになりました。それくらい長い灰色の生活と友達ができた喜びがありました。

自分はなんとか職を得ることができて就労移行支援事業所を卒業しました。彼も同時期に職を得ました。でも働き始めると仕事をすることが精一杯で彼と連絡することも疎遠になってしまう。そして暫くして自分はその仕事を辞めてしまって。社長が気に入らないと手が出るタイプの人で、怪我をさせられたのがきっかけで辞めました。あちらにすれば精神障害者みたいな人間を雇ってやってるんだからみたいな気があったのでしょう。精神障害者だって健常者と同じ人間ですけどね。

就労移行支援事業所で折角世話してもらった仕事も辞めてしまって、なんだか後ろめたくてしばらく連絡もとっていなせいで彼とは疎遠になってしまいました。

今日久しぶりに「どうしていますか」と連絡がありました。LINEであり得ないくらいの長文を返しました。凄く嬉しかった。また会って近況や音楽の話ができたらいいなと思ってます。