書店へ行った。休日だったので。
家にはまだ読んでいない本が沢山あるのに書店に行けば新しい本を買ってしまう。今日買ったのは漫画が一冊とこれ

 

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社会学者で小説家の岸政彦さんと小説家の柴崎友香さんの共著による大阪のエッセイ。ぼちぼち読み始めている。岸先生は67年生まれなので自分とほぼ同年代、柴崎さんは73年生まれなので10年くらいの年の差になる。彼と彼女が見てきた大阪が語られるが、柴崎さんが映画を観た扇町ミュージック・スクエアや堂島の大毎地下などという場所の名前に郷愁を覚える。どちらも今はない場所だけれど自分もよく出掛けて行った劇場だった。

大阪という街についてのエッセイで面白く読んでいるけれど、そもそも街を語るとはどういうことなのかとも思う。お二人はご自身のエピソードと絡めて語っていて、そもそもプロの文筆家なのだから読ませる文章であるのは当たり前だとしても。

でもやはり街を語るというのは、そこで自分に起きた出来事を語るのが正しいのかも知れない。噂や伝聞によってこの街はこんな場所、なんて語ることはできないのだし。そして過ごした場所というのはやはり店なのかもしれないと思う。それが街の構成要素の主要な部分だから。飲食店だけでなく、何かしらの販売店、劇場、そんな場所で過ごした時間と感想が街の印象になっていくような。ただ路上を幾ら徘徊しても街の表層を眺めているだけにしかならず、街の中に入っていくには店に入るしかないように思う。そこに住んでいるという話なら別だけれど。

うまく言えないけれど、なんとなくそんなことを思った。まだ読書中なので読み終えたらまた違う感想があるのかもしれない。