腐敗

今読んでいる本に、かつての帝国や王朝が興亡した要因には、為政者の腐敗によって国の内部に不満が蓄積され国家の力が弱体化したところに新たな為政者が現れて政体が交代する、という内容の記述があった。権力は腐敗する、というのはよく言われることだけれど、歴史がそれを物語っている。
王が欲望の限りに富を蓄積していくことによって、庶民には不満が蓄積していき、やがて反乱が起きて国がひっくり返される。中世だけでなく現代でも腐敗した政権に市民が声を上げるという現象は見られて、タイや香港での反体制デモなどがそのようなものだと思う。
これを読んで少し前に読んだ文章を思い出した。

はてなの増田で、大企業に勤めている人が自分は世の中の上位10%の人間だと言っていて下層の人達への蔑みの視線を隠さないというものだった。

で、気付いたのが、これも腐敗だなと思って。
歴史の話に戻ると王や皇帝や大統領や書記長だけが腐るわけでもない。王に権力を分け与えられた側近も腐敗するし、役人も腐敗する。歴史が証明している。

この増田の人は権力者の側近でも役人でもないが、大企業に勤めているというステータスとそれなりの収入、それと社会的地位を得て、自分は高いところに居ると勘違いして他の人を見下している。少し腐ってるんだろうな、と。
人間は安定した高い地位を得ても自分で気を付けていないと腐敗するのだなあ、ということを少し思いました。