酒場

行きつけの店、というほど頻繁には行っていないけれど、時々飲みに行く居酒屋があります。
カウンターとテーブル席が一つだけという小さな酒場ですが、居心地が良いのです。
居心地の良さっていうのは何だろうなと思うけれど、いつも空いているところ、それとほっといてくれるところ、この二点は外せないなと思う。

ガヤガヤとお客さん同士の話声がこだましているような賑やかな酒場も悪くないし、そういう場所に身を浸していたいと思うこともあります。
でも静かな場所で考え事をしながらお酒を飲むというのが自分には合ってるみたいだし、そういう場所に居たいと思うことの方が多い。

だから、あまり話かけられたりしたくない。お店の方としても、お客さんに話かけて愛想や世間話のひとつもするのがサービスだと思っているでしょうし、家で呑まずにわざわざ酒場に来ているということは誰かとのコミュニケーションを欲しているからだろうと思うのも間違ってない。実際、そういうお客さんは多いと思う。
でも自分はほっといて欲しい。

誰とも話したくないのなら家で飲んでいればいいのでは?と思われるかも知れないけれど、それがちょっと違うのです。酒場で一人なのと家で独りなのとは違うから。

今日はその居酒屋に飲みに行ってきました。コロナは今後そうなるんでしょうね、みたいな世間話をした以外は、最近の世情や自分の身の回りのことなどをぐずぐずと考えながら黙って酒を飲んで帰りました。そんなのが楽しいのかと問われれば、めっちゃ楽しいというほどではないにしても、大人になるとそんな時間が必要になるんですよ、と答えておきます。